FC2ブログ

こんな本読みました の巻 ~18~

 4月に買って、ようやく読み終えた本です。ネットで言葉を調べながら読まねばならないほど、難しい表現が多い本でした。

 ともかく博学で明晰な著者が、数多の文献を読み解いて日本の歴史に関してまとめた本で、戦前に発売されて数十万部を売ったベストセラーだそうですが、あまりに史実に率直に皇室に関して書いていたため「不敬だ」などと右派からの批判があったほどです。

 また、戦後は日本人を鼓舞する精神的な支柱になる事を恐れたGHQに発禁処分にされている本で、この度新書として出版される事になりました。 
 
book18.jpg
『日本二千六百年史』 
大川周明・著
2018 毎日ワンズ

 どうにか一通り読んでみての感想ですが、古代から近代まで、この国の歴史に関して様々な視点から非常に濃密に書かれているように感じました。面白かったです。

 古代では大化の改心に至るまでにシナ(現在の中国)からの影響がいかに強かったか、伝来した仏教がどうやって浸透し結実したか、平安期の社会の退廃や貴族の堕落、頼朝や信長が意外にも皇室を敬っていた事、江戸時代の鎖国政策の過ちや町人社会における武士階級の葛藤など、そして明治維新に至る国情など、知らない知識を得られて、とても読み応えのある内容でした。

 この国が決して平坦ではなく、今まで数々の国家的な断絶の危機に遭いながらも、先人の努力、あるいは奇跡的な僥倖によって今に至っている事もわかりました。

 歴史とは、事件と言う”池”の繋ぎ合わせではなく、そこに暮らした様々な人が切れ間なく織りなす”川”の様なものであると感じます。今の水質を、源流や流域の環境を調査して学ぶのが、歴史なのかなと思いました。

 ちなみに、題名の「二千六百年」は、皇紀(神武天皇即位からの年数)です。

 



スポンサーサイト
 

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント内容
  • password
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する