こんな本読みました の巻 その拾六

 私は、本屋に行くのが好きです。実際にページをめくってみないとその本の持つ味がわからない気がするので、できればAmaさんや楽さんではなく、本屋で買うのが理想です。

 今回ご紹介するのは、「江戸」に関する本です。 著者は「明治維新という過ち」で知られる原田伊織氏です。

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『日本人が知らされてこなかった「江戸」』
原田伊織・著
2018 SB出版

 「明治維新」に関して学校で習って漠然と知っている知識は、「尊王攘夷」を掲げる維新志士が、ついに討幕を果たし、新政府を設立したと言う一連の改革だろうと思います。

 ただ、歴史と言うのは勝ったものによって”作られる”のは世の常で、明治を築いた薩摩・長州の”偉人たち”が、日本の西洋化・近代化を正当化するにあたって、「江戸」と言う時代がいかに野蛮で未開で非合理であったかを刷り込んで言った結果が、現在の教育だと言うのです。
 ”江戸時代は支配者たる武士が、庶民から搾取する時代”である様な一般的な時代劇のイメージも、史実とは全く異なるようです。

 江戸時代は、想像以上に効率的文明的で、かつ「持続可能な(サスティナブル)社会」であり、現代人こそ見習うべき点が大きいのだということを、改めて感じました。
 また、非常に感銘を受けたのは、よく言われる”自然との共生”という言葉こそ、自然と人間を同等に見た極めて傲慢な考え方であると言う指摘です。
 江戸時代の日本人は、自然とは抗えないもので、人間も自然の一部であると言う価値観の下で、災害に畏れながらも自然の恵みを尊重し、生きてきたと言います。
 
 物質的な事を求め続け、そして行き詰っている現代人こそ、江戸時代の先輩の生き方に学ぶところがあるのでは。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の、「日本が西洋化して合理的な生き方まで身に着けた時、日本人は”日本人によく似た西洋人”になってしまうだろう」と言う指摘をもう一度、思い出さねばならないように感じます。

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