こんな本読みました の巻 その拾弐

 「最も尊敬する歴史上の人物は?」と問われたら、皆様なんと答えますか?
 歴史上の偉人というのは、後世の都合によって課題に評価されていたり、その逆もまた然り。
 
 「最も尊敬する人物」と問われて私が即答する、『楠木正成』も、後世の(GHQの)都合で存在が軽視されている一人かと思います。と言う事で、本日ご紹介するのはこちらです。
 

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『真説 楠木正成の生涯』
家村和幸・著
2017 宝島社新書

 楠木正成と聞いて、名前ぐらい聞いた事あるなぁ程度の人が殆どかと思います。…念のため、「正成」は「まさしげ」と読みます。

 楠木正成は河内(大阪)の悪党(※”悪い人”という意味ではなく幕府の管轄でない領主のこと)でした。戦っては古今の兵法に通じて様々な戦略を駆使して幕府の大軍勢を圧倒し、統治しては自らを律し、領民の声を最も重んじて公のための政治を行った、智・勇・仁を兼ね備えたリーダーでした。

 北条高時が私利私欲で支配する鎌倉幕府を倒すべく、正成は後醍醐天皇の勅を受けて決起しました。千早城の籠城戦などは伝説的です。足利尊氏新田義貞といった御家人も倒幕に加わり、ついに幕府は滅びます。しかし、その後反旗を翻した足利尊氏と「湊川の戦い」に臨んで破れ、自害するに至りました。

 自分のためでなく、常に公のため。楠木正成を知ることは、日本人としての生き方を知ることだと思います。これほどの偉人なのに、どこを探しても子供向けの伝記が全くないのが残念です…。
 ぜひ、読んでみてください。
 
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こんな本読みました の巻 その拾壱

 子供が寝た後や、車の信号待ちや、少しの時間に読む本は、医療とは全く関係ない本が好きです。
きちんと、医療関係も毎日勉強してますが(言い訳)。
 今回は、江戸から明治にかけての経済の本です。ちなみに私が好きな経済学者は三橋貴明氏と、この本の著者の上念司氏です。感情論ではなく、歴史やデータから客観的に分析されてみえるからです。

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『経済で読み解く 明治維新』
上念司・著
2016 ベストセラーズ

 一応タイトルに「明治維新」とありますが、内容は江戸時代の経済の話です。日本で明治維新が突然勃発したのではなく、江戸時代にその土壌がじっくり作られたと言うのが主な内容です。
 我々はとかく江戸時代と言うと漠然と、絶対的な身分差があって、武士が農民を支配して搾取していたと言う非近代的なイメージがあります。水戸黄門とかの影響もあろうかと思います。
 ところが、実際は、支配階級である武士の方が困窮し、百姓(農民とは限らない)の方が金を貸しているような現状があったりするわけです。
 
 著者は、デフレに対しては緊縮財政ではなく、貨幣を増やして市場に出し公共事業などによって雇用を引き出していくべきで、デフレ期の消費税増税などには絶対反対の立場です。
 これは歴史的事実として、江戸時代の様々な”改革”の功罪の中でも見て取れます。経済の本と言っても、私のような門外漢にとってもわかりやすく解説してくれてあるので、安心です。

 「経済で読み解く」シリーズは今のところあと『織田信長』『大東亜戦争』があるので、機会があれば読んでみたいなと思います。
 
 

こんな本読みました の巻 その拾

 政治経済や、物理、哲学的な本など、興味はあれども我が拙い脳では読み進まないものが多い事もあり、月3~4冊程度がやっとの浅い”読書好き”の私(本になかなかお金が回せないと言う哀しい理由もありますが)。
 そんな中、今回は少し毛色の違う本に出会いました。しかも、これからの人生におそらく影響を与えうる一冊です。

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『9つの性格』
鈴木秀子・著
2003 PHP文庫

 もうとっくに話題になっているらしいので、今更ながらであれなのですが、私は「エニアグラム」と言うものを初めて知りました。
 これは、「人間は必ず9つのどれかに分類される」と言う公理(自明の大前提)の下で、古代に確立された性格分類だそうです。巷間にあふれる占いのようなものではなく、もっと深い分析から成り立っているようで、かつては秘伝とされていたとの事でした。

 この本によると、9つの性格と言うのは
  1.完全でありたい人
     2.人の助けになりたい人
  3.成功を追い求める人
     4.特別な存在であろうとする人
  5.知識を得て観察する人
     6.安全を求め慎重に行動する人
  7.楽しさを求め行動する人
     8.強さを求め自己主張する人
  9.調和と平和を願う人

そして、それぞれのタイプが下のように関係します(詳しくは本を読んでください)。
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 まずは20×9個の質問に答えることで、自身の「タイプ」を決定します。ですが当然どれかが極端に点数が高い事は少なく、私の場合はネットにある診断なども複数を行ってようやく「これ」と決定できました。

 この診断は面白い事に、タイプが決定して終わりではなく、そのタイプごとに陥りやすい傾向や、その対策、他のタイプとの関係性の築き方などの人生の方針も提示してくれます。これがもうズバッと的を射ているのです。
 
 私はタイプ5なのですが、苦手だなぁと思うタイプ7やタイプ8こそ自分と直接関係する矢印が伸びている事に、驚きました。何より、「どうしてあの人はああなんだろう」と言う疑問が、「性格が異なるから仕方のない事」と少し思えるようになりました。

 本の結びにもありますが、「エニアグラム」が自身を縛り付けたり、また他者を枠にはめて決めつけてしまう事になるなら、それは誤用であり、本来は自分の人生を良いものにするための知恵だと言う旨のことがあり、なるほどなぁと感じました。
 
 私の課題は、知識偏重になりやすく、自分の世界に入り他者を遠ざけやすい事です。
 と言う事で、本からでは得られない様々な体験を増やすため、今年はキャンプ道具を買いそろえてアウトドアに挑戦します!
 
 

こんな本読みました の巻 その九

 『古事記』と言えば、7世紀に編纂された歴史書ですが、あまり興味を持って見えない方も多いかと存じます。ですが、自分の生まれた国のルーツを知ることは大切だと思うのです。
 古い言葉で書かれていて、なかなか素人には読解できないので数々の現代語訳や解説書が出ていますが、今回ご紹介するのは小名木善行氏(通称ねずさん)の解説本です。

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『ねずさんと語る 古事記【壱】』
小名木善行・著
2017 青林堂

 本来、日本人は「あえて言葉にしない」「相手の気持ちを察する」事を美徳とします。表面的な言葉や情報を過度に重視する現代人とは異なる点です。
 この本は、「古事記」を額面通り読んで訳しただけの従来の解説とはまったく異なり、古事記の一文字一文字を丁寧に読み解く事で、編者が伝えたかった行間の真意を何とか汲み取ろうとします。

 定説を覆す本と言うのは、多くは荒唐無稽な飛躍した話であったり、都合のよい文献だけをつまんで話をすり替えたりするだけの物が多いですが、この本にある内容は斬新ながらとても論理的で感動しました。
 
 出来れば漫画でもなんでも良いので古事記を一度読んで話の流れを知ってから、改めてこの本を読まれる事をお勧めします。

 

こんな本読みました の巻 その八

 昨今、某幼稚園や某小学校の一件で話題になっている「教育勅語」ですが、今までしっかり読んだことがありませんでした。  

ネットで調べればすぐ出てきますが、戦前あった「修身」と言う授業の教科書も合わせて読もうと思い、巻末に「教育勅語」も掲載されているこちらを購入してみました。 

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『国民の修身』
渡部昇一・監修 
産経新聞出版 2012

  修身とは、戦前にあったいわゆる道徳の授業で、こちらの本は小学校1~3年生で使われた修身の教科書が掲載されていました。 

 修身の教科書はごく当然の、大切な事が書かれています。ただ、これを学ぶべきは子供だけではなく、むしろ今の親世代や団塊世代ではないかと思いました。  

 また、件の教育勅語に関しては、保守派は、“教育勅語にある日本人としての道徳規範を今一度見直すべきだ”と言って推奨していますし、反日派は、”こう言う洗脳が、国の為に命を棄てる教育に繋がったのだ”と非難をしています。

  個人の主義や思想で解釈が変わるのは致し方ないのかもしれません。ただ、戦後の偏った価値観だけで先人を断罪するのは極めて傲慢です。良いものは良い、悪いものは悪い。
 とりあえずこの機会に、読んでみてそれぞれご一考頂いてはいかがでしょうか。